突然の体調悪化で叔母が他界、年金はどうなる?
しかし、その元気だったはずの雅美さんでしたが、急に体調を崩して入院してしまいます。絵里香さんはたびたび見舞いに行き、元気に回復すると信じていましたが、数カ月で亡くなってしまいました。
雅美さんにとって父母(絵里香さんの祖父母)や兄(絵里香さんの父)は既におらず、近い親族は絵里香さんのみでした。絵里香さんは父親が他界した時のことを思い出し、雅美さんの死後の手続きが何かあるのかと思い、慌ただしく動きます。
すると、雅美さんの年金のことが気になります。「働いていたし、『年金に頼らずに生きていくのが理想だ』と言ってまだ受け取っていなかったけど、受け取らないまま亡くなったな。たくさん働いて保険料も払ってきたのに。これ、全部掛け捨てになってしまうのかな……」と思うようになります。
姪として年金の手続きがあることが判明
雅美さんの死後の手続きが気になった絵里香さんは、年金のことについてまず話を聞きに年金事務所へ行くことになりました。そこで窓口の職員は絵里香さんに「雅美さんは独身でお兄さまも既に亡くし、親族は姪の絵里香さんだけなのですね。雅美さんとは住所は別だったようですが、音信や訪問・経済的援助はありましたか?」と尋ねます。
絵里香さんは「音信なら連絡はよく取っていました。訪問は叔母の家によく行っていましたし、入院中は毎週見舞いにも。経済的援助? お互い会社で働いていましたから、そんなに援助し合うことはないかもしれないですけど、入院中は私が時々日用品などを届けることはありました」と答えます。
すると職員は「うかがったお話から音信・訪問、それから経済的援助がありそうですね。でしたら、絵里香さんに年金の手続きがあります」と案内を始めました。
雅美さんが年金を受け取らないまま亡くなった中、姪である絵里香さんにどのような手続きがあるのでしょうか。
●姪である絵里香さんが行う手続きとは? 後編【「700万円を私が受け取れるなんて…」年金未受給で他界した叔母から姪へ、意外な形で残されたお金】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
