やってきたクールな新人

翌日、出社した小枝子が店長に呼ばれて事務所へ向かうと、店長といっしょに黒髪でやや目のつり上がった気の強そうな若い女の子が待っていた。

「彼女ね、旭友梨さん。今日からウチで働くことになったから。元々コンビニで働いた経験があるから、レジとかは問題ないけど研修期間は2人1組で仕事をやってもらうからね。今日は初めてだし、見学をさせつつ、大丈夫そうだったらレジもやらせてみてあげて。野村さん、よろしくね」

そう言われて友梨は頭を下げる。

「旭です。よろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」

小枝子は笑顔で答えた。

会話もそこそこに小枝子はレジに入り、友梨は小枝子の背後に立った。

「何か分からないことがあったら何でも聞いてね」

「分かりました。ありがとうございます」

真顔で友梨はうなずく。受け答えはしっかりしているが、何を考えているのか分からない。緊張をしている風には見えないがやる気がみなぎってるという感じでもない。とにかくクールな子なんだなと小枝子は印象を持った。