年金事務所で判明した「想定外」の計算結果

智美さんの厚生年金加入直後、智美さんより先に65歳を迎える敦さんは年金事務所に将来の年金の相談に行ってみたいとのことでした。これを聞いた智美さんは「私も50歳。せっかく年金に興味を持ったから年金事務所にも早めに相談してみよう」と、一緒に話を聞きに行くことになりました。

年金事務所の窓口で案内を受けた2人。まず、敦さんは自身の年金や、おおよその見込額についても確認することができました。一方、智美さんも「私、厚生年金に入ったばかりです。とりあえず10年間勤務しますけど、扶養に入っていた場合と比べて厚生年金が増えるはず」と職員に伝えます。これを聞いた職員は60歳になるまでの10年間・月給20万円で厚生年金に入った場合と入らなかった場合の見込額を試算しました。

すると両者の差から、厚生年金加入で12万2671円多くなる計算となりました。智美さん「あれ? 13万円以上は増えると聞いてたけど、年間9000円くらい少ないな……何で?」と思います。年間9000円の違いとなると、65歳から85歳まで年金を受けたとして、20年で合計18万円少ない計算になると悟ります。「18万円もあれば夫婦で1回国内旅行も行けるくらいの額なのに。どうして少ないの? ネットの動画で見た内容が間違いだったのかな……」と疑問に思います。

職員は「試算した額はこちらの通りとしか言えないのですが……」と、その金額の差についてよくは分からないようです。

ネットで見た条件と全く同じ条件なのに、なぜ金額に差が生じたのでしょうか。

●当初の想定していた金額よりも下がってしまった理由とは? 年金額を詳しく知る方法とともに、後編【「年金が思ったより少ない」50歳パート主婦が落胆…ネット情報を信じて厚生年金加入も、想定より年金額が下がったワケ】で詳しく解説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。