共有名義にせず兄に相続してもらっていたら…
振り返れば、きょうだいで遺産分割協議を行った時、時価評価が億を超える実家は魅力的に映りました。結果として皆が譲らず、共有名義で引き継いだのですが、こんなことなら、譲歩して現金だけを受け取り、実家は兄に相続してもらえば良かったと後悔しています。今さらそんなことを言っても遅いのですが。
実家が管理不全空き家に認定されたことで、兄や妹もさすがに焦りを感じ始めたようです。兄は空き家再生を手掛けるスタートアップ企業に売却することを考えているらしく、見積もりまで取って私たちにどうだろうと打診してきました。
これに猛反対したのが妹です。「うちの家は立地がいいし、境界や接道などの問題もない。都内の地価がこれだけ上がっているのだから、もっと高い価格で売却できるんじゃないの?」と納得できないようです。
その妹は親しい業者から耳打ちされたらしく、実家をシェアハウスにリフォームして家賃収入を得るプランに心を動かされているようです。「アパートを建てるのは大変だけど、シェアハウスならちょっとリフォームするだけですぐ貸し出せる。安定した家賃収入も得られるし、いろいろな人を迎え入れることで世の中のお役にも立てるでしょ」と言います。
これには兄が「昔から閑静な住宅街だったのに、おかしな人がうろつくようになったら近所迷惑じゃないか。第一、家賃収入なんて確実に計算できないだろ」と真っ向から反対しています。
ここまで来たら、私は正直どっちでも良く、ただ早く決めてほしいだけです。固定資産税が6倍になるかもしれない崖っぷちに追い詰められているのに、一歩も譲らず互いの主張を繰り返すだけの兄と妹には呆れるしかありません。
共有名義の不動産は「売却」をするにしろ、「大規模なリフォーム」をするにしろ、共有者全員の同意が必要です。今のままだと、いつになったら同意が得られることやら。
最近は心労のせいか体調もすぐれず、鬱々とした日々を過ごしています。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。