実家にゴミが不法投棄され、夏場は悪臭が…

私たちが足を運ばなかったうちに、庭木が伸びて隣の家まで“浸食”したり、外壁の一部が崩れたりして、兄のところに自治体から連絡が行っていたようです。兄は私たちには知らせてくれなかったのですが。

最大の問題は、中途半端に広い庭にゴミが不法投棄されるようになったことでした。夏場は悪臭がしますし、放火などされたら周囲の家にも迷惑をかけてしまいます。

そしてとうとう、実家は「管理不全空き家」の認定を受けることになってしまったのです。管理不全空き家とは、2023年12月から施行された改正空き家対策特別措置法から始まった新制度で、倒壊や衛生、防犯上大きな問題がある「特定空き家」に移行する可能性のある、“予備軍”のような位置付けです。早めに注意喚起を行うことで、特定空き家の芽を摘んでおこうという取り組みのようです。

とはいえ問題は、管理不全空き家になって、さらに行政勧告を受けると住宅用地の特例が解除され、固定資産税や都市計画税が大きく引き上げられてしまうことです。固定資産税は敷地200㎡までが6倍、200㎡超は3倍、都市計画税は同じく200㎡までが3倍、200㎡超は1.5倍に跳ね上がります。

実家はもともと地価の高い地域にあるので、値上がりすると固定資産税だけで軽く150万円を超えます。3人で分担するといっても、自営業の妹はともかく、宮仕えの兄や私は毎年そんな高額の税金をとても払っていけません。