片付け計画が頓挫…妹の暴挙に兄激怒

当初はきょうだい3人とも、頃合いを見計らって売却するつもりでした。父の相続の際にお世話になった税理士さんからは、父が亡くなってから3年が経過した日の属する年の年末、つまり2021年中に売れれば、空き家売却の特例が使え、売却益(譲渡所得)から最大3000万円が控除できるという話も聞かされていました。

しかし、事はそう簡単に運びませんでした。

共有名義での登記が済んだ後、兄から売却に向けて家の片付けを始めておいた方がいいのではないかという提案がありました。兄や兄嫁に勝手に家探しをされることを懸念した妹は、きょうだいで月1回、日程を調整して家の片付けをしようと言い出し、私もそれに同調しました。

そして毎月、3人揃って実家に通うようになったのですが、当然のように片付けは進まず、そうこうするうちに兄が心臓病で手術を受けることになり、片付け計画は頓挫してしまいました。

その隙に行動に出たのが妹です。勝手に実家に清掃業者を入れて、主だった荷物を持ち出してしまったのです。後から100万円近い業者の請求書を見せられ、「どういうこと?」と問い詰めても、「だって、このままではらちが明かないじゃない」と澄ましたものです。病床の兄も、妹のスタンドプレーに激怒したと聞きました。

怒った兄が兄嫁を通し、自分が復活するまで私たちが勝手に家を売ろうとしたり、一人で家に入ったりするのはまかりならぬと通告してきた直後にコロナ禍となり、実家は放置される格好になりました。