納付+免除で480月ある人が任意加入した場合
問題はここからです。もし、60歳から65歳になるまでの5年間納付した場合、20歳から65歳になるまでの45年(540月)間で保険料納付済期間444月+保険料免除期間96月の合計540月になりますが、老齢基礎年金の計算上、合計480月を超える分の免除期間については3分の1の国庫負担の反映がないことになります。
より具体的に見ていくと、老齢基礎年金の計算上は、保険料納付済期間444月が優先され、全額免除を受けた保険料免除期間96月のうち、合計480月になるまでの36月分が国庫負担3分の1として反映されます。そして、96月のうちの残り60月分については国庫負担がなく、その分の年金額は0円と計算されます。
すると、81万6000円×(444月+36月×1/3)/480月=77万5200円となります。その結果、5年間100万円程度保険料を納付したとしても、増える額は年額6万8000円(77万5200円-70万7200円)となる計算です。約100万円を6万8000円で割ると約15になりますので、15年間年金を受け取ると払った保険料に等しくなります。
一方、信二さんの場合は、60歳時点で保険料納付済期間378月と保険料免除期間0月をあわせて378月のため、合計480月に達していませんでしたし、65歳まで5年間任意加入しても保険料納付済期間が438月になるため、やはり480月にはなりません。そのため、単純に81万6000円×378月/480月=64万2600円から81万6000円×438月/480月=74万4600円に変わり、10万2000円増える計算になっていたのです。