働くと年金はどうなる?
しかし、浩司さんはふと「そういえば、働いて収入があると年金ってカットされるんじゃなかったかなぁ」と疑問を抱きます。そして、「安定した職が見つからなくて、時々単発のアルバイトはしてるんですけど、収入は一応あるんですよね」と職員に告げます。
すると職員は「注意点としまして、この65歳までの長期特例は厚生年金の加入者になると適用がされず、定額部分と加給年金は0円になります。そして、厚生年金に加入して一定の給与を受けると報酬比例部分は在職老齢年金制度でカットされます。しかし、厚生年金未加入の働き方であれば影響は受けません」と教えてくれました。また、在職老齢年金制度は65歳以降の年金にもあることを補足説明されました。
長期特例の注意点と在職老齢年金制度について説明を受けた浩司さんは「厚生年金は入ってないし、じゃあカットされず全額受け取れる。もし、厚生年金に入って年金が減っても、それはそれで給与収入も見込めることにはなるな」と納得しました。
年金の心配がなくなり将来不安が解消される
年金事務所から帰った浩司さんは早苗さんに「年金事務所から俺の年金、多いと言われた。だから早苗も無理してパートしなくていいよ」と伝えます。
しかし、早苗さんは「けど、私が働けばその分さらに収入も増えて老後も安心でしょ? だからパートは続けようかなと」「今まで44年も会社で頑張ってくれてたんだもの、老後も長いだろうし私もパートして支えようと思って」と浩司さんに言います。
浩司さんは「そうか。わかった、ありがとう」と会社員時代から失業した今に至るまで長年支えてくれて、老後のことまで考えてくれていた早苗さんに深く感謝するのでした。
今回は長期特例について解説しましたが、年金制度にはさまざまな特例が用意されています。該当した結果、多く年金が受け取れることもありますので、事前に確認してみることがポイントです。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。