現在の愛子さんの生活は…
その後の愛子さんは当初予定していた生活とは異なる生活をしている。貧乏、というわけではないが生活のレベルを少し落とし、本人いわく「つつましやかな生活」をしているという。
兄弟姉妹が相続人となる場合は彼らの相続分はたかが4分の1。たった4分の1と思うかもしれないが2000万円あれば500万円。3000万円あれば750万円だ。
それだけのお金があれば老後の豊かさは大きく異なる。
愛子さんは言う。「子がいない夫婦にこそ遺言書は必要ですね」と。まさにその通りだ。私もそう思う。
子どものいない夫婦こそ遺言書は必要だ。遺言書1枚で老後資金が数百万円変わることも珍しくはない。義家族との不要な争いも避けることができるかもしれない。
もし「子どもがいないわが家に遺言書なんて不要」と考えている人がいれば改めて考え直してほしい。本当にそれで大丈夫だろうか? 絶対に大丈夫だと言い切れるだろうか。少しでも不安であれば遺言書の作成について再度考えてみてほしい。
相続は残された人にとってその後の人生を左右する可能性もある大きな出来事だ。愛子さんは私との別れ際にこう言った。
「もし次に私たち夫婦のように遺言書が不要という人たちがいたら是非とも説得してあげてください」と。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
※人物名はすべて仮名です。