65歳以降の年金額が大きく乖離する理由

「じゃあ、65歳からの年金はどうなるのですか。こっちは合計110万円と合計97万円で差は13万円。大きく違うみたいですけど……」と晴奈さんは続けて質問をします。

その質問に対しては、「65歳以降の老齢基礎年金や老齢厚生年金は『ねんきん定期便』ではやはり62歳の4カ月前の記録で計算されていますが、年金事務所での見込額は今の加入条件で65歳まで勤務したことを前提とした額となります」との回答がされました。

晴奈さんは少なくとも65歳まで今の会社に勤務する予定のため、62歳から65歳まで同じ給与で3年間厚生年金に加入したことを前提として試算がされていました。「厚生年金の加入月数は109月に36月を足した145月になって年金が計算されています」という回答で、当然106月で計算するよりも多くなっています。

「65歳まで厚生年金に加入すれば、老齢厚生年金は報酬比例部分だけでなく、経過的加算額(老齢基礎年金相当額)も増えていますので、2階建てで年金が増える効果が得られます。なので厚生年金加入月数が106月の試算と145月の試算では金額が大きく異なります」ということでした。

さらに「振替加算は『ねんきん定期便』には表示されません」と補足され、前回年金事務所では、このままいけば加算条件を満たす振替加算も含めて試算されたと説明がされていました。

これらの理由により65歳以降の2つの見込額を比較して、13万円という大きな差が生じていたのです。