<前編のあらすじ>

美奈さん(仮名・40代)は、ある日「地域貢献を兼ねて無料で住宅診断を行っています」と訪問してきた堤(仮名)という男にだまされた。堤は家の中を見て回ると「湿気で家の柱の一部が傷んでいます。今すぐ修理が必要です」と美奈さんに告げた。美奈さんは焦って110万円の契約を結んでしまう。

翌日、美奈さんが堤の不審点に気付いて解決方法を調べたところ、クーリングオフという制度を知る。クーリングオフとは訪問販売など一定の販売方法によって契約を結んでしまった場合、一定期間内であれば無条件で契約を解除できるものだ。

美奈さんはクーリングオフを利用して契約を解除するため、書面を作成して書留の形式で堤に送付した。

●前編:【湿気で傷んだ自宅の修理に110万円…「点検商法」の被害に絶望した女性が使った“最強の切り札”とは】

クーリングオフを拒否されるまさかの展開に…

堤から美奈さんへ対する返答はなんとクーリングオフを拒否するものだった。堤による返答書面には「契約の当日においてすでに施工が完了している以上、クーリングオフは認められない」との内容が記載されていた。

美奈さんは慌てて堤に電話する。だがしかし、何度かけても電話に出る気配がない。美奈さんは絶望した。この日ですでに契約を結んでから9日が経過している。クーリングオフの期間である8日を超えていた。

私と美奈さんが知り合ったのはその時だ。とある依頼者から「困っている人がいる」と美奈さんを紹介され、お手伝いさせていただくこととなった。