<前編のあらすじ>

60代共働き夫婦の妻、明子さんは夫の宗教への支出が原因で離婚を考えています。

「宗教への信仰は自由なので、尊重したいです。だけど、最近は貯金がどんどんなくなっていき怖くなってきました。お金がなくならないうちに離婚したほうがいいんじゃないかと思い始めたんです」

離婚を現実的に考えるきっかけとなったのは、宗教法人のアドバイスで墓の購入と自宅のリフォームを行ったことでした。宗教法人に紹介された業者に依頼したところ、割高な費用を提示されて不信感を抱いたのだと言います。また、このままのペースで支出が続くと、老後生きていけないかもしれないという不安もありました。

そのため、離婚をして1人で暮らしてもお金の問題はないのか、まずはライフプランを作成して確認することになりました。

●前編:【「宗教への信仰は自由なので尊重したいです。だけど…」60代女性が信心深い夫との離婚を考えた「決定的な出来事」】

離婚をして1人になると老後は1000万円の赤字

離婚した場合のライフプランを作成すると、老後は1000万円ほどの赤字になることが分かりました。赤字の大きな原因の1つが家賃です。住み慣れた今のエリアに住むなら、一人暮らしでも7〜8万円はかかりそうです。公営住宅に住むことができれば良いのですが、その保証はありません。

明子さんは、自宅を売ってその売却益で生活できるだろうと考えていたようですが、夫婦2人で売却益を分けると手元に残るお金は1000万円弱と予想されます。一方、家賃7万円の生活が30年続くと、家賃だけで2500万円以上かかる計算です。自宅の売却益はもちろん、年金分割を考えても、今からこの赤字を消すのは容易なことではないでしょう。