遺族年金のことが気になり始める

不測の事態が起きると、冷静さを失いやすい性格の那月さん。あまりにも急な出来事で状況が飲み込めないながらも、何とか亡き夫の葬儀を済ませます。

そして、急に今後の生活が気になり、「夫はたくさん稼いでいたけど私はパート収入のみ」「壮真もまだ9歳だし……」と落ち着かなくなりました。

ふと、那月さんは遺族年金制度の存在を思い出し、「遺族年金があったら生活が助かるのに」と考えました。しかし、翔太さんはこれまで保険料を払ってきていません。「夫は全然年金の保険料を払っていなかったし」「うーん、どうにか遺族年金ってもらえないのかな」と気になります。

そんななか、死亡した人の保険料を納付すれば遺族年金が支給されるということを聞きつけます。「全部じゃなくても直前の1年間に未納がなければいいらしいね」「今から払えば何とかなるかも」と、翔太さんの死後の慌ただしいなか、翔太さんが生前に受け取っていた国民年金保険料の納付書を見つけ、払える分をコンビニエンスストアで納付しました。

那月さんは「これで遺族年金がちょっとでも受けられるかも」と期待しながら、年金事務所に行きました。しかし、窓口の職員からは「保険料の未納が多いため、遺族年金は支給されません」と回答され、「『保険料を払えば年金を受け取れる』というのはやっぱり間違った情報だったのかな」と落胆してしまいます。

どのようにしていれば遺族年金が支給されたのでしょうか。

●年金制度を信頼できず保険料を払わなかった翔太さん。突然亡くなったことで、遺された親子が遺族年金を受け取れないという「残念な結末」を迎えてしました。遺族年金受給のために必要だったこととは? 後編【遺族年金が受け取れない⁉ 亡き夫の年金保険料を慌てて払った子持ち女性が意気消沈した「払い損の事実」】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。