<前編のあらすじ>

健太さん(現在53歳)には同居する父・宏隆さんがいましたが、宏隆さんは持病の悪化により、ある年の7月2日に82歳で亡くなりました。

健太さんは亡くなった宏隆さんの年金手続きをしようと年金事務所へ相談に行きます。すると窓口では、遺族として2カ月分の未支給年金を受け取れることが分かりました。それに加えて、職員からの父親の過去の職場についての質問に答えたところ、「未支給年金はさらに多く受け取れます」と説明を受けました。

質問に答えただけで受け取れる未支給年金が増えるのは、一体なぜなのでしょうか。

●前編:【「受け取っていない年金がありました」親亡きあと発覚した“もらい忘れ”。宙に浮いた年金の行方は…】

健太さんが父親のもらい忘れた年金を受け取れた理由

82歳で亡くなった年金受給者の宏隆さん。息子の健太さんは亡くなったことによる手続きに年金事務所に来ましたが、職員から聞かれた質問に答えただけで、年金が多く受け取れると説明されました。

実は、この健太さんの手続きの際、宏隆さんが39歳の頃、「○×運送」に勤めていた4カ月分の新たな厚生年金の加入記録が見つかりました。この記録が判明するまで、宏隆さんの年金加入記録は「未加入」の状態でしたが、本当は厚生年金に入っていたことが分かったのです。

その4カ月分の加入記録で計算された年金も本来宏隆さんに支給されるはずだったところ、宏隆さんはその分を受け取らないまま亡くなってしまいました。

そのため、この「○×運送」の分の年金についても健太さんに未支給年金として支給されることになります。