ベビーベッドから転落した孫

遊び疲れた祥太が昼寝を始め、一通りの掃除や洗濯を終えた早月はいつの間にかソファの上で眠ってしまっていたらしく、世界が砕け散るような悲鳴にたたき起こされた。

飛び起きた早月が悲鳴の出元であるベビーベッドへと急ぐと、フローリングの上に祥太が落ちていた。

早月は青ざめた。ベットの柵は上げておいたはずだったが、つかまり立ちをして乗り越えてしまったらしかった。

「祥太……!」

早月は泣いている祥太に駆け寄って、優しく抱き上げた。

目立った外傷は見当たらなかったが、状況からして頭から床に落ちた可能性が高かった。万が一、祥太の命に関わるような事態になったら、自分はどうすれば良いのだろう。命に別状がなかったとしても、何かしらの後遺症が残ってしまったらどう責任を取ればいいのだろう。

そんな不安を無理やり頭から追い払いながら、早月は震える手で救急車を呼んだ。

●ついに起こってしまった事故、祥太は大丈夫なのだろうか……? 後編「身内からお金とる気⁉」あり得ない頻度で孫の世話を押し付けてくるモンスター嫁を“撃退”した方法】にて、詳細をお届けします。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。