<前編のあらすじ>

佑典(33歳)は、地元の名士の娘である莉乃(29歳)と結婚した。子供が生まれてから初めてのお盆、義実家へあいさつに行くと、親戚一同で息子をあやして盛り上がるが、親族の男尊女卑的な「田舎者の価値観」を目の当たりにした佑典は居心地が悪かった。

莉乃は、義実家では円満そうに振る舞っていたが、産後あきらかに性格が変わってしまい、かんしゃくを起こして佑典がつらく当たられることもしばしばあった。

そんなある日、部屋に隠していた消費者金融の督促状が莉乃に見つかってしまい、佑典が内緒で借金をしていたことが発覚する。

●前編:「30になる前に子供生めてよかったな」男尊女卑な田舎の義実家に疲弊した夫が抱える「妻には言えない秘密」

妻に隠れて借金をしたワケ

佑典には借金があった。だが、佑典はギャンブルの趣味もないし、他人の連帯保証人になったわけでもない。原因は莉乃との結婚式にあった。顔の広い莉乃のために親戚一同を式に呼ぶことになったのだ。さらに莉乃の一族が裕福だと言うことで、恥をかかせられないとかなり奮発したプランを発注してしまった。

装花を一番高額のものにしてみたり、意味もなくバカラ製のシャンデリアを発注したりなど、とにかく義両親がお金をたくさん出してくれたので、思った以上に豪勢な式になってしまった。当然、莉乃は元々が裕福な家庭で育っていたので、ウエディングドレスなどにもこだわり、特注のものを作り、お色直しのドレスも全てオーダーメードにこだわった。