「開かずの蔵」で見つけた予想外のお宝

先祖代々が暮らしてきた家は異常なまでに物が多く、片付けは遅々として進みませんでした。しかも、大半はいつの時代のものか分からないようなガラクタばかりです。それでも1年半後には家の中をひと通り整理し、後は別棟の蔵だけというところまできました。

とはいえ、私が子供の頃から「開かずの蔵」と言われたこの蔵がなかなかくせ者で、実際に開けてみると、古いたんすや虫食いだらけの着物、昭和の頃の大工道具、ぼろぼろの玩具、ひからびた漬物桶など、これまで以上に強烈なガラクタが次々と出てきて気持ちがなえました。

しかし、そこで私たちは思いがけない“お宝”を発見しました。蔵の奥の方に無造作に積んであったつづらの1つから、なんと、金の延べ棒が出てきたのです。年代物らしく、表面は変色していました。少なくとも私の父母から金を持っているという話を聞いたことはないので、祖父母の時代のものかもしれないと思いました。

妻は最初「偽物じゃないの?」と疑っていましたが、私は手に取った時のずっしりとした重みで「間違いなく金だ」と確信しました。

これは、片付けを頑張った私たちへのご先祖さまからのご褒美だと思いました。金価格が上がっていたこともあり、家に持ち帰って間を置かずに妻が都内の買い取り商に持っていくと、なんと500万円近くになりました。

それまで宝くじや競馬などのギャンブルで勝った試しのなかった私は、「棚からぼた餅」的に降って来た大金で、すっかり気が大きくなりました。