佐々木さんが涙した、長島さんの丁寧な仕事ぶり

佐々木さんには、ご主人から相続した分も含めて2億円近い金融資産がありました。きちょうめんな字でその詳細を書き留めたノートを大事そうに抱えて相談に訪れた佐々木さんを見た時、「この人を放っておいてはいけない」という責任感のようなものが込み上げてきて、すぐに長島さんと連絡を取りました。

長島さんは忙しいスケジュールの合間を縫って翌日には病院を訪れ、佐々木さんと面会してくれました。そして、佐々木さんに負担がかからないよう休憩を挟みながら時間をかけて話を聞いた上で、「私がお手伝いさせていただきますから、安心してゆっくり療養してくださいね」と優しく声をかけました。佐々木さんは涙を流して喜んでいました。

佐々木さんの病状は予断を許さない状況で、すぐに家庭裁判所に成年後見人の申請をする必要がありました。佐々木さんの老人ホームの担当者やケアマネジャーと相談の上で、後見人候補として中島さんを推薦しました。推薦した人が確実に後見人に選ばれる保証はなく結構気をもみましたが、結果的には既に成年後見人として実績のある中島さんが選任されました。

そして、そこからようやく佐々木さんの終活が本格的に動き始めたのです。

●長島さんのきめ細やかなサポートで早速開始した終活。中でも佐々木さんが最期に必ずかなえたいと思っていた希望がありました。それは一体何だったのでしょうか? 後編【「本当にありがとう。さようなら」最期の願いをかなえた資産家女性が、手紙にしたためた感謝の想い】で詳説します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。