数カ月後、事実を知り憤慨する長男
遺産分割が終わってから数カ月後、長女である郁美さんの下へ「どういうことだ?!」と言いながら怒鳴り込んでくる男がいた。そう、件(くだん)の竜也さんだ。
竜也さんは三男の直次さんの同級生と学生時代に部活動が同じで交流があった。どうやらその同級生を経由して遺産分割の事実について知って乗り込んできたようだ。
あらかじめ集まっていた兄弟3人が竜也さんを説得すべく事の経緯を説明していく。それでも納得のいかない竜也さんに対して郁美さんが叱責。
「あんたは自由にしすぎてお父さんや私たちに迷惑をかけたの! 財産は受け取れなくて当たり前よ」
そんな言葉で納得できる竜也さんではない。
「親から相続財産を受け取るのは子どもの権利だろ!」
1人のけ者とされている現状に対して権利を主張する。
次男の健太郎さんは「死に際におやじが言ったんだよ、兄貴には相続させなくてもいいって」と父親の言葉を竜也さんに伝える。三男の直次さんも「兄さんはこんなことをするからお父さんも財産を渡したくないって言ったんだよ」と思わず本音を口にする。
終わる気配のない話し合いから、最終的に竜也さんは弁護士へ相談することを決意。そして、兄弟たちと竜也さんとは真っ向から対立することになった。
●父親が遺言に残した最期の願いは実現されたのでしょうか? 長男と3兄弟の争いの行方は、後編【「長男 VS 3兄弟」父親の“最期の願い”はかなうのか…遺産をめぐる争いの「まさかの結末」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
※登場人物はすべて仮名です。