兄弟や姉妹にお金を貸す時、あなたは契約書を作るだろうか。おそらく兄弟姉妹の間ならと契約書を作成せずに貸そうと考えるのが一般的だろう。だが、それは基本的には間違いだ。兄弟姉妹の間だからこそ契約書を作るべきだ。それを伝えるべく、今回は荒木兄弟の事例を紹介する。

仲良しの兄弟の絆が崩壊したきっかけ

荒木兄弟はともに20代(当時)の兄弟だ。兄の優さん(仮名)が29歳、弟の健斗さん(仮名)が26歳で兄弟仲は非常に良好である。

兄の優さんは一足早くに結婚して6歳になる子どもがいた。仕事に子育てに忙しい人ではあるのだが、暇を見ては弟の健斗さんと遊びに行っている。子どものころから弟思いで面倒見のいい兄だった。それが大人になり家庭を持った後でも変わらない。当時の私から見ても優さんは理想的な兄に見えていた。弟の健斗さんはそんな彼を慕い尊敬しているようで、子どものころから変わらず兄に着いていっている。

今回、私に相談を寄せてきたのは弟の健斗さんの方だ。彼とは年数回、地元に戻った際に飲みに出掛けるのだがその時にはさまざまな相談を受ける。今回の相談もその中で受けたものだ。