<前編のあらすじ>

高柳亜衣さん(仮名)がワーキングウーマンとして尊敬する伯母さんは、今年75歳になります。実は伯母さんが70歳を過ぎた頃、あるトラブルに巻き込まれていました。事実婚の相手の男性を亡くした時、その息子さんからひどい仕打ちを受けたのです。それだけでなく、なんと男性のお金を持ち出したのではないかと因縁までつけられます。

ショックのあまり寝込んでしまった伯母さんに代わり、高柳さんが立ち上がり、弁護士の岩田さんに相談することにしました。

●前編:【「事実婚」の選択が裏目に…70代女性が“人生最後の恋”を終えて迎えた辛すぎる結末】

事実婚であるがゆえの苦労

75歳の伯母はずっと独身を通してきましたが、10年ほど前に配偶者を亡くしたばかりのひと回り年上の男性と出会い、交際するようになりました。

男性は現役時代商社で部長まで務めたそうで、経済力があり知的で活動的、性格は温和で“ナイスミドル”ならぬ“ナイスシニア”という感じの方です。高卒で食品メーカーに入社し、シングルのまま定年まで勤め上げた伯母にとっては、穏やかな余生を共に歩む理想のパートナーに見えました。

しかし、男性がアルツハイマー型認知症になり亡くなると、状況は一変します。男性の息子さんへの配慮や相続でのトラブルを避けるために入籍しなかったことが裏目に出て、死に目に会えないどころか葬儀にも呼んでもらえず、挙げ句の果てには弁護士を通して「男性のお金を持ち出していたのではないか」「男性からもらったプレゼントの高級ジュエリーを全部返せ」と圧力をかけられたのです。