弁護士・岩田さんのエネルギッシュな活躍

伯母の憔悴し切った姿を見て怒りにかられた私は、弁護士の岩田さんに泣きつきました。

岩田さんは忙しい中わざわざ時間を割いて、私の言葉に耳を傾けてくれました。

一気に話し終えた後、「それは大変な目に遭いましたね。伯母様の体調は大丈夫ですか?」と気遣われ、不覚にも涙がこぼれました。

「恐らく伯母様は税法のことをよくご存じなかったのでしょうが、確かに、生命保険の満期金から500万円受け取っていた件は突っ込まれても仕方ない。しかし、お話を聞いている限り、理不尽な要求をされる筋合いはありません。私がどれくらいお役に立てるか分かりませんが、できる限りのことはさせてもらいます」

その言葉通り、岩田さんはエネルギッシュに動いてくれました。その週のうちに私と伯母の家を訪れると、伯母から男性との生活や伯母の経済状況をヒアリングし、必要な書類を一時的に預かって、その日のうちに全てに目を通してくれたようです。

幸い、几帳面な伯母は入出金を預金通帳にしっかり記帳していただけでなく、詳細な紙の家計簿もつけていました。これが、伯母が独立した家計を営んでいた証明になりました。もちろん、伯母が男性から定期的にお金を融通してもらっていたような事実はありませんでした。

それどころか、男性が高齢者施設に入居してからは、男性のための下着や衣料品、常備薬、食品などを自腹で購入して渡していたのです。

男性からの誕生日プレゼントに関しても、男性の手書きのメッセージカードが全て保存してあったので、プレゼントが男性の意思で伯母に贈られたものであることが裏付けられました。

生命保険金については、男性から伯母の口座に振り込まれたことが確認できたため、贈与税の修正申告を行いました。未入籍だったため親族以外への贈与の扱いになり、延滞税も含めてかなりの支払い額になりましたが、伯母はそれでも「納めるべき税金はちゃんと納めないと」と前向きでした。