「毒家族」から逃れるには

そして今年も、母親からは「実家の固定資産税を支払え」と言われ、15年以上前に亡くなった父親の遺産相続にまつわる登記変更では、兄から「権利を放棄しろ。嫌なら俺たちとの絶縁を取り消せ」などと言われ、結局振り回され続けていた。

「義家族たちは家族イチ収入がある独身の夫を老後のあてにしていたのだと思います。それなのに私と結婚してしまったので、何かと理由をつけて引き出せるだけ引き出そうとし始めたのかもしれません。夫自身、家族が自分を金づるとしか見ていないことを実感して、どんどん絶縁度合いが進んでいるように感じます」

最近夫は、引っ越しを真剣に考え始めた。家族に内緒で引っ越し、住民票の閲覧制限をかけることを計画中だ。

また、夫が独身時代に入った生命保険の受取人が母親になっていたが、受取人を妻である片桐さんに変更すると母親がうるさいと思い、入籍から8年の間、ずっと変更できずにいた。しかし先日のこと。夫自ら受取人変更の書類を取り寄せ、受取人を片桐さんに変更したのだ。

理由は、「年末調整の度に受取欄に母の名前を書かなければならないことに耐えられなくなったから」と言った。

自分の親が毒親だと気付くきっかけは、自分の家族を持つ時であることが少なくない。

片桐さんの夫は、片桐さんと出会ったことで“異常”に気付き、「毒家族」から逃れようとあがき始めている。