<前編のあらすじ>

中部地方在住の片桐蘭子さんは、24歳で結婚して37歳の頃に離婚した。それから2年後に同い年のIT系企業で働く男性と知り合い、交際から3カ月後にプロポーズされた。しかし、彼の母親と姉の激しい反対にあい、ついには入籍を諦めてしまった。

●前編:【「お袋と姉貴を絶対に説得する」不穏なプロポーズを受けた女性が下した“やむを得ない決断”】

毒母と判明

入籍をやめると、片桐さんたちに平和が訪れた。

ある日彼が、「うちの母親は毒親だと思う」と言って『毒になる親』『毒になる姑』という本を買ってきた。

読んでみると、彼の母親にあまりに当てはまったため、2人で笑ってしまった。

「“毒”なんだと認識したら、少し気持ちが楽になりました。彼は、仕事も友人関係も理知的で頼もしいのに、母親や姉からのツッコミどころ満載の提案には従ってしまうことに疑問を感じていましたが、さすが長年支配下に置かれているだけあるなと思いました」

その後、毒親について2人で調べたり勉強したりしているうちに、彼は片桐さんを信頼できる同志と認識していったようだ。

入籍を諦めてから約半年後の2015年の春。彼は突然、「入籍しよう」と言い出した。

「入籍しない方が彼の母親や姉と関わらないで済む。その方が幸せ!」と思っていた片桐さんだが、言われた瞬間、涙が止まらなかった。

プロポーズから3年の月日が流れ、2人は42歳になっていた。