絶縁を決意した決定的事件

彼は最低限の義理を通すため、母親に入籍することを伝えた。すると母親は姉に泣きついたようだ。

姉は、片桐さんの両親宛てに11メートルを超える“巻物”を送りつけてきた。その“巻物”は、半紙をつなげて毛筆で書かれた“長い長い手紙”だった。

内容は、弟の優秀さをとうとうと語ったあと、片桐さんに離婚歴があることなど、弟にふさわしくない点を、「何月何日、蘭子さんは母にこう言った。私にこういう態度だった」などと詳細に挙げ連ね、最後に、「2人の結婚に反対してる訳ではないが別れるべきです」と書かれており、読むのに小一時間はかかるものだった。

さらに姉は、片桐さんの実家に電話で、 「入籍させないでください。もし入籍したら一生恨みます」と脅迫。

その一連の行為をすべて知っておきながら、彼の母親は、「お姉ちゃんがよくやってくれた!」と褒めたたえた。

自分の母親と姉の異常さを思い知った片桐さんの彼は、姉とは完全に絶縁し、母親とは距離を置くことを決意した。

「毒家族」たちの正体

姉とは完全絶縁し、母親とは距離を置くことを決意した夫だが、当初は特に母親と距離を置くことへの罪悪感が拭いきれず、完全に拒絶しきれないままズルズルとお金を無心されていた。

母親に勝手に手配され、実家のNHKの受信料を払わされているほか、「固定電話代も払ってほしい」と言われたが、こちらは回避。だが、母親が飼っている猫の病院代を払えと言ってきたり、親戚の葬儀の香典代を出せと言ってきたり、何かと理由をつけて数万円を無心してきた。

母親だけではない。姉は、1人で育てている息子の大学受験費用の約30万円を、自治体の低所得者向けの無利子ローンで借り入れする際に、連帯保証人になることを母親経由で依頼。断り続けていたところ、姉が息子と一緒に夫の会社に乗り込んで来て、その場で書類へのサインを強要された。

さらに兄は、実家の塀を近所の人に壊されたことで保険屋ともめて裁判になり、夫にも裁判への協力を要請。夫が断ると、兄は弁護士を雇って保険屋を訴え返し、和解金130万円を獲得。母親と兄は、「修理には足りない。裁判に協力しなかったお前が不足分を出すべきだ」と言ってきた。