友人の住む分譲マンションは「全く違う」
風向きが大きく変わったのは、今年に入ってからです。賃貸マンションは妻の強い希望でオール電化を選びました。火を使うことがないし、ガス漏れの心配もなく、幼い子供がいても安心だからです。
しかし、このところのエネルギー価格の高騰で電気代が1年前の倍以上になりました。妻は圧力鍋の料理を増やしたり、電気毛布を使って床暖房の使用時間を減らしたりして節約しているようですが、その程度では焼け石に水です。さらに4月の賃貸契約更新で、大家さんから家賃の2万円アップを言い渡されました。
2023年の春闘では賃上げ率が約30年ぶりの高水準を記録したそうですが、景気がいいのは大企業だけ。私たちの勤務先は原材料費の高騰やパートやアルバイトの最低賃金のアップでまさにあっぷあっぷの状態で、とても従業員の給料まで手が回らない状況です。共働きなのでこれまではお互い月3万~5万円程度の小遣いを自分の服や趣味に費やし、時には親子3人で遠出をすることもできましたが、今となってはとてもそんな余裕はありません。
焦りを覚えたのは先日、大学時代の友人の家を訪れた時です。友人には昨秋第一子となる女児が誕生し、出産祝を贈ったところ、初節句のお祝いをするからとひな祭りの時に妻や娘と一緒に招待されたのです。
友人が住んでいるのは大手不動産会社の分譲マンションですが、驚いたのはエントランスや居室のつくりから、賃貸マンションとは全く違うことでした。気心の知れた友人なので、酒を飲みながらマンションの購入価格や住宅ローンなどの込み入った話もしてくれたのですが、その内容もまた、私を動揺させるものでした。