郷田航さん(仮名)は自称「筋金入りの賃貸派」。同じ会社に勤める妻、3歳の娘と都内の賃貸マンションで暮らしています。“マイホーム適齢期”にさしかかり友人や同僚が次々住宅を購入していく中でも、「当面家は買わない」と決めていました。5000万~6000万円もするマンションを買ってローンの返済に追われるような生活はしたくなかったからです。

2LDKのマンションの家賃は管理費込みで16万円。共働きということもあり、毎月10万円の貯蓄をした上で、3万~5万円ずつをそれぞれの小遣いとして自由に使う程度のゆとりはありました。

自由気ままな賃貸生活に疑問を抱くようになったのは、昨今の電気料金の高騰がきっかけです。子供の安全に配慮してあえてオール電化のマンションを選んだことが裏目に出、電気代が1年前の2倍以上に跳ね上がったのです。さらに、4月の更新で家賃2万円の値上げを言い渡され、これまでの家計の維持が難しくなりました。

マイホーム派の友人宅を訪れた際、分譲マンションのつくりの良さや意外と安いローンの返済額を知った郷田さんは「このまま賃貸生活を続けていいのか」と悩むように。そんな郷田さんに目からウロコの解を示してくれたのが、あるお金の専門家でした。

〈郷田航さんプロフィール〉
東京都在住
35歳
男性
会社員
会社員の妻、娘と3人暮らし
金融資産550万円

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「持ち家か、賃貸か」は多くの家庭が直面する大きな選択ではないかと思います。わが家では妻も私も「住宅ローンに縛られて、やりたいことを我慢するような生活は絶対にしたくない」という点で意見が一致し、当面は賃貸でいこうと決めました。結婚してから10年間、子供が生まれて1度引っ越しましたが、互いの趣味や旅行を楽しみながら快適な賃貸ライフを満喫してきました。