今の年収は定年まで続かないという盲点
その結果、長男の大学卒業までは、智良さんは今の年収レベルを保つことができるため、赤字にはならないことが分かりました。次男の大学受験等で一時的に学費がかさむ時期があっても、貯蓄の取り崩しで対応しながらどうにか生活できそうです。
しかし、本当にピンチを迎えるのは智良さんが50代後半に差し掛かったあたりです。なぜなら、その頃になると智良さんの給料が役職定年のため1000万円程度に下がる可能性が高いためです。貯蓄は、おそらくほとんど残っていない上、次男の大学費用と三男の高校、大学費用の捻出が非常に厳しいことが分かりました。
智良さんの家庭では、3人の子どもに幼少期から教育費をかけてきたため、貯蓄はほとんどしてきませでした。当然、老後のための貯蓄もできていません。高収入であるがゆえに、その時の収入でやりくりができてきたものの、収入が下がってしまうと、途端にその生活は壊れてしまいます。
それを避けるためには、3人分の大学費用を貯蓄する必要がありますが、今から貯蓄するなら月15万円程度の貯蓄が必要です。現状、貯蓄する余裕は全くありませんから、支出を削るしかありません。15万円もの支出を削るためには、少なくとも三男が私立中学をあきらめる必要がありそうです。