<前編のあらすじ>
川田舞さん(仮名、37歳)は、抑うつ状態となり現在は両親の実家で療養しています。
舞さんは33歳の時、友人の紹介で出会った物静かでまじめな男性と半年で結婚しました。「これからは幸せな日々が送れる」と期待していましたが、夫との生活の中で違和感を覚えることが増えていきます。手料理を作っても無反応、悩みを相談しても「ああ、そうなんだ」と言うだけの夫。舞さんが体調を崩しても自分の食事しか買ってこず、「夫にとって自分は大切な人ではないのか?」と疑心暗鬼に陥ってしまいます。
表面上は“良い夫”なのに、一緒にいるとなぜこんなに苦しいのか。次第に夫と顔を合わせるだけで動悸がするようになり、ついには布団から起き上がれなくなってしまいます。
●前編:【「もう限界」焦って結婚を決めなければ…一見“良い人”の夫に抱き始めた違和感。37歳女性が実家に逃げ帰った決定的な理由】
このままでは無収入…まずは収入の確保から検討する
舞さんはうつ病のため就労が難しく、傷病手当金ももうすぐ終了してしまうため、このままでは無収入になってしまいます。そこで筆者は障害年金について検討をすることにしました。
舞さんは心療内科を初めて受診した時は会社に籍があり厚生年金に加入していたので、障害厚生年金を請求することになります。
そこで筆者は、舞さんに障害厚生年金の請求権利が発生するかどうか、つまり年金の未納が多すぎないかどうかを確認することにしました。
母親によると、舞さんは20歳から大学を卒業するまでは国民年金の学生納付特例(学生の猶予)を利用しており、卒業後は会社員としてずっと厚生年金に加入していたとのこと。20歳から35歳頃に初めて心療内科を受診するまで公的年金の未納が多すぎるといったことはないので、舞さんには障害厚生年金の請求権利が発生することが分かりました。
そこまで話が進んだところで母親は質問をしてきました。
「長女が言うには『私はカサンドラ症候群なのかもしれない』とのことでした。長女はカサンドラ症候群で障害厚生年金を請求することになるのでしょうか?」