「安月給で働くくらいなら」独立を選んだ60歳男性

太田雄介さん(仮名・60歳)は、長年勤めた印刷会社を1年前に退職しました。
社内では主にデザイン制作を担当し、取引先とのやりとりも任されるなど、実務経験も豊富でした。

60歳以降も継続雇用の道はありましたが、提示された給与は現役時代より大幅にダウン。
「安月給で働き続けるくらいなら、自分でやったほうがいい」
そう考え、太田さんは退職を決断します。

もともと取引先との関係も良好で、独立後も仕事の見込みは十分。
実際、フリーランスのデザイナーとして独立してからの売上は、初年度から約700万円と順調でした。自宅事務所で仕事をしている太田さんにとって、経費もほとんどかかりませんので、それだけの収入があれば余裕のフリーランス生活になるはずでした。

そんな太田さんは、会社を辞める1年前からYouTubeやネット記事で、法人を設立して節税する方法を調べていました。

「法人を作れば、税金も社会保険料もほとんど払わなくて済む」
「住民税の均等割、年間7万円だけでいい」

この話を信じ、太田さんは在職中から準備を進め、独立と同時に法人を設立しました。

●法人化で、余裕のフリーランス生活を送るはずだった太田さん。しかし、独立から1年後、思いもよらない現実に直面します。後編【「このままでは申告できません」“節税できる”はずが大誤算…意気揚々と独立した男性が約140万円の追加出費に追い込まれた理由】で詳しく紹介します。

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