【前編のあらすじ】

突然の父の死により始まった、兄・昭と弟・敬の相続協議。定職に就かず実家に半ひきこもり状態の敬は、「家を単独相続させろ、さもなくば2000万円払え」という理不尽な主張を繰り返していた。

話し合いが平行線をたどるなか、昭は事態を収束させるため、最も選んではいけない禁断の一手「不動産の共有分割」という妥協案を受け入れてしまう。

●前編:「家をよこせ、嫌なら2000万払え」半ひきこもりの弟が放った暴論…兄が選んだ“禁断の一手”が招いた相続の地獄

共有という名の地獄の始まり

しかし、本当の問題はここから起こった。案の定、固定資産税が問題となったのだ。

「俺は兄貴と違って収入が安定していないから……」

初回の固定資産税から既に支払いを滞らせる敬。無視しようにも、最悪の場合、敬の財産が差し押さえられるなどして昭にも実害が及びかねない。

そこから3年経ち、建物には雨漏りなど老朽化が進んできた。修繕が必要となったが、その費用はすべて昭が出した。実際に家に居住しているのは敬であるにも関わらずだ。

ここでしびれを切らしたのは昭の妻である有希だ。

「なんでうちばっかり負担するの?」

娘の真名が私立中学校への進学を控えていたことから、有希は非常にナーバスになっており、昭とも口論が増えた。昭は「仕方ない……」と腹をくくってひたすら耐え、家族も弟も守ろうとした。しかし、そんな昭の気持ちはつゆ知らず、敬の要求は日に日にエスカレートしていく。