終わらない扶養…離婚を繰り返し、実家に戻った娘
法子さんはこれまでに2度の離婚を経験しています。
最初の離婚後、しばらくは一人暮らしをしていましたが、生活が立ち行かなくなり実家へ戻ってきました。その後、再婚するも再び離婚。現在は完全に実家暮らしです。
働いていないわけではなく、パートやアルバイトとして働き、収入はあります。しかし、その収入だけで生活を成り立たせることはできず、家に生活費を入れることはなく、稼いだお金の多くは、趣味やいわゆる“推し活”に使われていました。
佐藤さん夫妻は、これまでコツコツと貯めてきた金融資産が約2000万円あります。住居費もかからず、夫婦2人だけなら老後生活に大きな不安はありません。
しかし、娘の生活費を負担し続ける状況では話が変わります。
「この子がいる限り、仕事を辞めるわけにはいかない」
佐藤さんはそう感じ、体力的に厳しくなってきても、将来への不安から引退を決断できずにいました。
さらに法子さんはずっとパート・アルバイトで働いてきたため、厚生年金に加入した期間がなく、将来受け取れる年金額は限られています。
「もし自分たちが働けなくなったら、この家計はどうなるのか」
「娘の将来は……」
不安は日増しに大きくなっていくのでした。
●終わらない扶養が佐藤さんの老後計画を大きく狂わせます。これからでも間に合う対策を後編【「いつまで面倒を見ればいいんだ?」還暦目前の同居娘で親子共倒れの危機…見直すべき家計ルールと年金対策】で詳しく紹介します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。