深夜に響いた「ドスン」という音

そんなある日の深夜。ドスンっという大きな音が響き、異様な音で目が覚めた美代さん。

妙な胸騒ぎを覚え、おそるおそる寝室から出てみました。すると廊下で夫が仰向けで倒れているのを発見したのです。

あまりの状況に美代さんは茫然としたまましばらく立ち尽くしてしまいました。

「そうだ、救急車を呼ばなきゃ!」

我に返った美代さんはスマホを取りに寝室へ走り出しました。

病院に搬送された夫は脳梗塞の診断を下され、緊急手術を受けました。幸いにも一命を取り留めることができましたが、意識は失ったまま。手術後、ICUに1カ月ほど入っている間にやっと意識が戻りました。

病院から「処置は終わったので転院してください」と言われ、別の病院に転院することになりました。

夫は後遺症で左半身に麻痺が残ってしまいました。左手の指はほとんど動かず、肘や肩は曲がって固まったまま。左脚の足首やひざも固まったままになっていました。そのため転院先の病院では、体が固まらないようにリハビリやマッサージを受け、それ以外の時間はベッドで横になって過ごしていたそうです。

そして4カ月が過ぎた頃。病院から「そろそろ入院期間が満了するので、別の病院に転院するかご自宅で療養をしてください」と言われてしまいました。