<前編のあらすじ>
典夫さん(仮名・50歳)が11歳の時、浮気癖のある父親と母・菊美さん(仮名)が離婚しました。初めは大地主の父親のもとで裕福に暮らしていた典夫さんでしたが、ある夜、母の代理人が兄妹を引き取りに来ます。父親は2人を山に逃がしますが、結局、典夫さんたちは駄菓子屋を営む母のもとへ。
そこから「夜、4人並んで寝ていたけど、寝ていたら星が見えたよ」と語るほどの極貧生活がスタート。その後、妹が父親に引き取られることになりますが、最終的には妹を連れ戻し、市役所職員となった母の薄給で暮らし始めました。
●前編:【「夜、寝ていたら星が見えたよ」裕福な日々から一転、両親離婚で極貧生活へ…兄妹の運命を激変させた母の決断】
離婚したい女性が考えるべきお金の問題
離婚はゴールではなく、人生の再スタートです。「離婚さえできれば幸せな人生が待っている」は、間違いです。離婚は人生の再スタートであるため、スタート後にどのような人生を歩むのか考える必要があります。
離婚を急ぐ人の中には、行政の手当があるから何とかやっていけると考える人もいます。しかし、行政の手当は、そもそも低所得者に対してしか行われません。また、子が18歳までという期限付きのものが多いです。子が18歳になるまでは、手当でどうにか生活できたとしても、子が成長し、手当が打ち切りになったら生活していけるでしょうか。
すぐに年収を上げることは難しいですし、低所得=低年金となります。50代、60代になってから「貯金も年金も足りない」と気づいても、働ける時間には限りがあります。離婚の目的が「幸せな人生を取り戻すこと」であるならば、その幸せをどう実現していくのか、冷静に設計しておくことが何より大切です。
