大した財産はなく、あるのは借金だけだから相続放棄してしまおう。そう思っていた親に少額だが貯金があることが発覚。そんなとき、あなたならどうするだろうか? バレないと思って銀行口座からお金を引き出してしまうだろうか? 今回は甘い考えで借金を相続することとなった住田姉妹の事例を紹介しよう。
「お父さんの借金、かなりの額があるみたい」突然の訃報と借金の発覚
父親の突然の訃報に混乱しながらも、妹の良子さん(仮名)は葬儀の手配や遺品整理に追われていた。悲しみも癒えないうちに、相続の話が持ち上がる。
「お父さんの借金、かなりの額があるみたいだよ」
姉の美代子さん(仮名)がため息交じりに言った。住田姉妹の父は生前、事業をしていたが、早くに引退したためか老後の生活で財産はほぼ使い尽くし、相続するようなものはほとんどないようだった。それどころか300万円程度の借金があることも発覚する。