<前編のあらすじ>
樋口貴子さん(50歳・仮名)は、今夏、連れ添って25年になる夫との銀婚式を控えていました。しかし樋口さんを待っていたのは、52歳の夫からの「裏切りの告白」でした。
37歳の愛人のお腹には3カ月になる子供もいて……。
不倫相手との暮らしを選んだ夫は樋口さんに離婚してほしいと告げます。
夫への怒りよりも樋口さんを悩ませたのが、今後の生活への不安です。下の息子は大学に入学したばかり、どうすればよいのか。苦境にあえぐ樋口さんに手を差し延べたのは、パート仲間から紹介されたファイナンシャルプランナー(FP)の小原さん率いる専門家グループでした。
●前編:【まさか夫に愛人がいたとは…突如離婚話を告げられ「生ける屍」のようになった50歳女性が縋った「蜘蛛の糸」】
いきなりそんなことを言われても困る
25年連れ添った夫から突然「離婚してほしい」と言われたのは、私が50歳を超えて人生の後半戦を意識し始めた時でした。
夫は5年ほど前から取引先の15歳下の女性と不倫関係にあり、女性は夫の子供を妊娠。それを聞いた夫は、私や2人の子供よりも新しい家族との生活を選んだのでした。
しかし、いきなりそんなことを言われても困ります。私は結婚してからずっと「103万円の壁」の範囲内で働いてきました。その私の収入を加えても毎月家計は自転車操業で、とても十分な貯えをする余裕などありませんでした。