樋口貴子さん(仮名)は短大を卒業して社会人となって5年目の春、勤務先の先輩だったご主人と結婚、翌年に第一子の長女、その5年後に長男を授かりました。寿退社した後は自治体やクリニック、診療所などで103万円の壁を超えないようにしながらパートで働いてきたそうです。
しかし、結婚25年の銀婚式を迎えた今夏、夫からいきなり離婚を切り出されます。なんと夫には5年越しの不倫相手がいて、その女性が夫の子供を妊娠したのです。夫への怒り以上に樋口さんを追い詰めたのが、「これからどうやって暮らしていったらいいか」という極めて現実的な問題でした。
夫は大学生の長男が卒業するまでの学費の支払いと、自宅マンションのローンの返済を約束してくれましたが、樋口さんと社会人2年目の長女の収入では母子3人が今まで通り暮らしていくのは困難です。そんな樋口さんに救いの手を差し延べたのが、自身も離婚や子育てで苦労した経験を持つ“士業”の女性たちのグループでした。
〈樋口貴子さんプロフィール〉
埼玉県在住
50歳
女性
病院事務
社会人の長女、大学生の長男と3人暮らし
金融資産350万円
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50代になってにわかに「老後」という言葉がリアルに感じられるようになりました。まさかそのタイミングで、自分が人生の大きなターニングポイントを迎えることになるとは夢にも思っていませんでした。
銀婚式を迎えた夫から急に離婚の話を切り出されたのはつい半年ほど前のことです。
「好きな女性ができたから離婚してほしい」
聞けば、相手は取引先の37歳の女性社員で交際期間は5年にも及び、お腹には夫の子供がいるとのことでした。その時点で妊娠3カ月だと聞きました。
とはいえ、私からすればまさに青天の霹靂です。
夫に愛人がいたこと自体がショックなのに子供まで作っていた上に、夫はその愛人との生活を選んで私たち家族を見捨てるというのです。
精神的なショック以上に大きかったのが経済的な問題でした。