私はまだまだ恵まれている方
「旦那さんから慰謝料を取れなくても相手の女性に請求できる」と助言してくれたのは、弁護士の会田さんです。そして実際に、相手の女性が裕福な会社経営者の娘であることを突き止め、向こうの弁護士との交渉で300万円の慰謝料の支払いに同意させました。会田さんは示談書までしっかり取りまとめてくれて、さすがプロの弁護士さんだと感激しました。
一方、社会保険労務士の資格も持つ小原さんが私に提案したのは「年金分割」です。これも、私が全く知らないことでした。
簡単に言うなら、夫と私が結婚していた期間中に夫が払った保険料分に相当する厚生年金については、将来受け取りが発生した時に分割して私が自分の年金にできるという制度です。年金分割には夫婦の合意を必要とする「合意分割」と必要としない「3号分割」があるのですが、私は夫に扶養されていた公的年金の3号被保険者だったため後者の「3号分割」で夫の同意なしで請求できるのだそうです。
ただし、請求できるのは離婚の翌日から2年間という期限があるので、小原さんに手伝っていただいてすぐに手続きすることに決めました。
小原さんに試算してもらったところ、これから厚生年金に加入して65歳まで働き、さらに夫から年金分割を受ければ、将来は月額10万円以上の年金が確保できることが分かりました。
目先もそうですが、子供たちが巣立った後のことも不安だったので、とりあえず毎月年金が10万円もらえそうだと知ってほっとしました。
夫に離婚を言い渡された日からわずか半年ほどで、ここまでいろいろ手を打ってもらえた私は本当に幸せ者です。
病院への就職も、夫の不倫相手への慰謝料の請求も、年金分割も、私一人だったら、何一つできなかったどころか、思いつきもしませんでした。
この年になっての離婚は大変ではありましたが、このタイミングで小原さん、中本さん、会田さんのような力強い専門家の方々と巡り会えたのは本当に運が良かったと思います。小原さんグループの方々、そして、小原さんを紹介してくれたパート仲間にはいくら感謝してもしきれません。
今はまだ自分の身辺整理で手一杯の状態ですが、少し落ち着いて今の暮らしが軌道に乗ってきたら、何らかの形で小原さんのグループのお手伝いをさせていただけたらと思うようになりました。“士業”の資格がないどころか世間知らずで恥ずかしいことばかりの私ですが、相談に見えた方が小原さんたちと話をしている間に子供の相手をしたり、パソコンで簡単な書類を作成したりするくらいのことならできそうです。
ここに来てしみじみ感じたのは、最初に小原さんに言われたように私などまだ「恵まれている」方だということです。
満足な食事もとれずガリガリの姿で相談に来た母子もいますし、巨額の借金を背負わされて反社絡みの怪しい店で働かされているシングルマザーもいます。
そうした理不尽な立場に甘んじている女性たちのためにも、小原さんには頑張ってサポートを続け、その輪をもっと広げていっていただきたいと思います。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。