64歳で年金の請求へ
そのような中で、浩司さんは特別支給の老齢厚生年金(特老厚)を受給できる64歳を迎えようとしています。
「手続きに使う年金請求書が既に届いている。この64歳から65歳までの特別支給の老齢厚生年金、過去に届いた『ねんきん定期便』によると、報酬比例部分として年間150万円弱。64歳で年金は受けられるようにはなるけど、この金額じゃちょっと厳しいな」「65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金は年間230万円弱の見込みと書いてあるけど、64歳から65歳までもこれくらいあればな……」と64歳から65歳の特老厚の額に不安が隠せません。
浩司さんは年金の繰上げ受給制度についての情報を得て、「老齢基礎年金を64歳で繰上げすれば、生涯減額はされるかもしれないけど、65歳までの1年間の家計は助かるかも」と思うようになります。
浩司さんは64歳になってすぐに特老厚の請求のために、年金事務所に行きました。窓口で「65歳からの老齢基礎年金は、家計が苦しいので今からもう繰上げで受け取ろうかなと思っています」と職員に伝えます。
しかし、職員から「繰上げはする必要ありません。特例で通常より多い年金が受け取れますよ」と案内されました。
特例の年金とは一体何でしょうか。なぜ、特例が受けられるのでしょうか。そして、いくら受けられるのでしょうか。
●老後に不安を抱いていた浩司さんですが、通常より多い年金をもらえることが判明。その理由は、後編【まさか年金額が増えるなんて…失業による老後不安から一転、60代男性が“通常より多い年金”をもらえたワケ】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。