何気なく決断した5年前の「つみたてNISA」が運命を変えた
2018年を迎えると、市田は、「つみたてNISA」の開始に合わせて、毎月1万円を「S&P500」に連動するインデックスファンドで積立投資を始めた。無理をすれば毎月2万円くらいは投資に回せたが、何よりも「無理は禁物」ということだったので、「まずは1万円」と考えた。「S&P500」を投資対象に選んだのは、投資の神様といわれているウォーレン・バフェット氏が「S&P500に連動する低コストのインデックスファンドを買う」ことを推奨していたからだった。投資について詳しいわけではない市田は、投資対象などを深く考えるようなことはしなかった。
その後、積立資金は口座から自動的に支払われるので、特に気にすることもなく過ごしてきたが、2024年になって日本や米国の株式が史上最高値を更新などというニュースを見るようになった。そこで、自分の積立投資の現在状況を調べてみた市田は思わず「へっ?」と口に出して絶句した。
2024年6月末時点で投資元本の78万円に対し、積立投資の評価額が173.5万円になっていたのだ。何をしたわけでもないのに投資元本が2倍以上に増え、100万円近くも儲かっていることに驚いた。途端に、市田の胸がザワザワしてきた。