毒親の連鎖

「私が買い物依存に陥ってしまったのは、母の影響が大きかったと思っています。誕生日やクリスマスのプレゼントはお金。中学からは母の代わりに家事をして2万円。高校生の頃はお弁当代に毎日1000円もらっていました。すべてお金で解決させられてきたんです。母との行動は全てタクシーでしたし、買い物はデパート。私自身もお金で解決する癖や贅沢が染みついていたのだと思います」

誕生日やクリスマスのプレゼント、お弁当もお金ということは、「何がほしい?」「何が食べたい?」という親子の対話さえなかったことを意味している。母方の祖母も贅沢な人だったようなので、母親はお金を渡すことしか親としての務めを果たす方法を知らなかったのかもしれない。

祖父も父親も家庭に目もくれず、自分優先で好きなように生きていた。もしかしたら母親と祖母は、たった1人で家事や育児に向き合う孤独や苦悩に耐えきれず、贅沢に依存したのかもしれない。

「今思えば母にとっての私は完全に所有物で、私なんてお金で動く駒でしたね……」

都合の良いように使われてきた森山さんは、子どもの頃に満たされなかった心を埋めるように、買い物依存や元カレへの依存に走ってしまった。しかし、苦しみながらも自分の人生を生きるために足掻き続け、夫とぶつかりながらも、現在は居心地の良い家庭を築くに至った。

義父は91歳で亡くなったが、82歳の義母との同居は続く。79歳の父親と78歳の母親の介護問題で振り回されている森山さんだが、夫も2人の息子たちも味方だ。

森山さんには自分たちが幸せになることを優先してほしい。