コントロールする母親

中国地方在住の山口紗理さん(50代・既婚)の両親は、父親が29歳、母親が24歳の時に工場の娘と従業員として出会い駆け落ち。山口さんの兄を妊娠したことで母方の祖父母と和解し、結婚した。

結婚後、父親は建設会社と化粧品の代理店を母親とともに始め、2年後に山口さんが誕生。

母親は兄のことは可愛がったが、妹は貶めた。兄は欲しい物を買ってもらえたり、やりたい習い事をさせてもらえたりしたが、山口さんには選択権はなく、友だちや進学先、アルバイト先や就職先も母親が決めた。

父親の悪口ばかり言っていた母親は、山口さんが高校2年生の頃、父親にがんが見つかった途端、献身的な妻へ変貌を遂げ、親戚や近所の人から、「献身的な妻」と称賛され始めると、自分でもあちこちで看病の大変さを話して回った。

やがて父親が52歳で亡くなってしまうと、母親の関心は20歳になった山口さんに集中。

短大を卒業した山口さんを自分の口利きで金融系の会社に入社させ、門限を20時と定め、1分でも遅れれば内鍵をかけた。