離婚協議書というものをご存じだろうか。離婚する多くの夫婦が離婚にあたって取り決めた事項をまとめるために作成する契約書だ。だがこの離婚協議書、作ったものの結局は実質的に“無意味な紙切れ”になってしまうことがある。今回は離婚協議書が紙切れ同然になってしまった志保さんのケースを紹介しよう。

結婚9年目に起きた突然の出来事

志保さんが離婚をしたのは今から2年ほど前にあたる。ちょうど結婚生活は9年目に突入し、子供もこれから小学校に入学するというところで手がかかる年齢の真っ最中。そんな中、夫である雅人さんから突然離婚を切り出された。原因は性格の不一致だ。

雅人さんは結婚前からギャンブルが好きで、一般的にギャンブルと聞いて想定されるようなことは一通り嗜(たしな)んでおり、時折休日に趣味としてギャンブルへ出掛けていた。金額自体は結婚当初に決めていたお小遣いの範囲に収まっていたため問題はなかったのだが、志保さんの感情面はそうではなかった。志保さん自身は生粋のギャンブル嫌い。たとえ趣味の範囲内であったとしても気に食わない。

志保さんは事あるごとに雅人さんのギャンブル趣味を責めていた。雅人さんは約束の範囲で趣味を楽しんでいたにもかかわらず、毎度のごとく責められて不満が募ったのだろう。ある日、志保さんは夫である雅人さんから離婚を切り出されたのだ。