10カ月の別居を経て正式に離婚へ
志保さんは離婚に大反対。雅人さんにはギャンブル趣味以外に不満点はない。むしろ良い夫であると評価していた。子育てにも積極的で、志保さんの体調不良時には家事を引き受けることも珍しくなかった。まさに理想の夫だ。
だが雅人さんの決意は固くすぐに家を出ていった。そこから10カ月ほど別居の日々が続いたところで志保さんもついに根負け。正式に離婚という運びになった。
離婚にあたっての条件はすんなり決まった。その中から金銭の支払いに関するものを抜き出すとこうだ。
・養育費は毎月5万円
・財産分与として雅人さんから志保さんへ300万円の支払い
金額の大小はともかくとして、養育費の支払いや財産分与の存在などは決して珍しいものではなく、むしろ離婚において一般的な取り決めだ。だが、一般的な取り決めをしたからと言ってその取り決めがその通りに実行されるとは限らない。
志保さんは万が一のことを考え上記内容を離婚協議書として書面にまとめるよう考えた。そこで知人のツテで私へたどり着き依頼に至ったという具合だ。
私は上記内容で離婚協議書を作成し志保さんに手渡した。後日、「雅人さんとの間で押印し両者で1通ずつ保持する形で離婚が成立しました」と報告をいただき私は安心した。