高年収=豊かな生活とは限らない。貯蓄とは少額の積み重ね
一方で、本件は愛美さん側も残念に思います。
確かに一般的には、高年収の人ほど生活水準も高い傾向です。誰だって困窮生活よりは豊かな生活のほうがうれしいでしょうし、高年収の人との結婚ほど、豊かな生活が送れると考えても不思議はないと思います。
しかし、知るぽると(金融広報中央委員会)の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、高年収の人ほど「貯金額も多い」傾向です。つまり高年収の人ほど、お金を使わず貯金に回している傾向でもあります。総じて、高年収の人ほど生活水準も高い傾向ですが、それはあくまで一般の方に比べればの話であり、一般の方が思うほどには高くないことが珍しくありません。
そして貯蓄とは「少額の積立」が基本です。一般の方が思う「少しくらい」をコツコツ、絶えず貯蓄に回し続けたことで、大金の貯金に成功しています。「少しくらい」を使ってしまう人には、十分な貯蓄はできません。仮に、愛美さんの望むままに雄太さんがお金を使う人だったら、まさに彼の言うように先々で困窮していた可能性があります。
教育費や老後資金を筆頭に、人生の先々で必要になるお金はなかなかの大金です。また彼女のように専業主婦になったうえで離婚すれば、「30代無職女性」となってしまいます。目先の生活を豊かにしたい気持ちも分かりますが、先々の可能性を考えての行動を心がけましょう。