<前編のあらすじ>
結婚相談所へ訪れた山本勝さん(仮名)は、35歳の男性で、流通業のお仕事をされています。年収500万円で、後にアパート経営による不労所得が入る当てもある方でした。
しかし、過去に交際経験がなかったことや容姿へのコンプレックスがあり“超奥手”だった山本さんは、内気でいじけやすい性格がネックとなっていました。「モテる男になるセミナー」を受講したり、流行のお店を調べたりして努力していましたが、一向に交際に結びつきません。
結婚相談所でお見合いをしても、「写真より美人ではなかった」「愛想が悪かった」などと相手に高すぎる理想を抱いていました。また、交際に発展した女性にお断りをされた時には、「高いお店に連れて行ったのに、お金を返してほしい!」とまで言う始末。努力が報われない出来事の連続で、焦りやいら立ちを感じていました。
●前編:【“モテ男セミナー”受講も婚活に連敗「何が正しいのか…」35歳男性が陥った負のループ】
運命の出会いで気付いた「何よりも大切なこと」
そんな山本さんですが、結婚を諦めかけていた頃にお見合いをした方と、とんとん拍子で話が進み結婚されました。
相手はかわいい方でしたが、山本さんが望む美しい方ではありません。でも気楽に話せて、何か話すと「わあ! そうなの⁉」と乗ってきてくれて会話が弾みます。愛嬌(あいきょう)や愛想があり、彼を尊敬して接してくれる人だったのです。
山本さんは、見た目が美しい女性たちにはそっぽを向かれたり「中身がない」「話が面白くない」と言われたりしていました。ですが、山本さんが結婚した女性は「彼はとっても楽しい人で、しっかりとした考えを持っている」と言いました。
この女性に出会ったことで、山本さんは容姿ではなく「価値観が合う人」が本当の理想の人だったと気付きました。結婚で何より大切な“価値観と相性”の大切さを身をもって知ったのです。
だからこそ、安心してこの先の人生を一緒に歩めると思ったのでしょう。山本さんにとっては2年がかりの婚活でしたが、途中でやめることなく努力されたことが成婚へ結びついたのだと私どもも感じています。