同僚からの助言で気付いた“本当にしたい仕事”
「敦子さんが本当にしたい仕事は、営業なの?」
相談した同僚からそう聞かれて、敦子さんはハッと目が覚めた気がしました。
そこで“本当にしたい仕事”について考えてみると、子どもの頃に父親の仕事の関係でベトナムに滞在した思い出が蘇ってきました。当時、海外生活が初めてだった敦子さんに、現地の人たちがとても優しく接してくれたのです。
「日本で働く外国人の仕事や暮らしを助けたい。採用のサポートにも従事したい」
本当やりたい仕事が明確になった瞬間でした。
取得した資格を勤務先で活かせると思ったら…
敦子さんは、日本に滞在する外国人の雇用や生活をサポートするという目標のために、行政書士の資格取得を決意します。忙しい日々の合間を縫って、試験勉強に取り組みました。
そうして、在職中3回目のチャレンジで、やっと取得した行政書士資格。「勤務先で活かせるかも」とワクワクしながら上司に報告した結果、返ってきたのは「うちはプロに任せているから」と素っ気ない回答でした。
今思えば、就労ビザなど外国人採用の手続きはややこしく、資格を取ったとはいえ経験のない素人が対処できる内容ではないと分かります。しかし、敦子さんの悔しさはそう簡単に拭えません。
そこで、「せっかく苦労して取得した資格を眠らせておくのはもったいない! クレーム対応ではなく、やっぱり“心が喜ぶ仕事”をして生きていこう」と、約20年勤めた会社を辞めることに。その後、独立開業する道を選びました。