友人に勧められた保険の中身は……

友人が勧めてくれた保険は、いわゆる「アカウント型」と呼ばれる終身保険です。終身保険は死亡すると保険金がおりる貯蓄タイプの保険ですが、アカウント型は将来保障を見直す際に、この貯蓄を使って見直しができる自由設計が特徴の保険です。

しかし、実際内容を見てみると終身保険の保障は50万円と小さく、貯蓄機能はほとんどありません。ただし、次回10年後の更新時までに死亡したり、三大疾病で所定の状態になったり、腕が動かないなど障害年金1級・2級相当で働けなくなったりした場合には、5000万円の保険金が支払われるという手厚い特約がついています。

ちなみに、その特約部分は更新型のため更新が来るたびに保険料がアップします。現時点での浩一さんの保険料は「月額約2万円」でした。

「10年後に2倍になる保険料」を払っていけるのか?

今は、給与収入がありますし毎月2万円程度なら支払うことはできます。しかし、更新が来る10年後には、保険料は2倍になることが分かっています。さらにその次の更新時、20年後には、2倍になった保険料のさらに2〜3倍の保険料になると予想されます。

年齢が上がるほど保険料も急上昇するため、いつか保険料を払えなくなり見直しが必要になるでしょう。支払える保険料レベルの保障内容にするなら、保障を小さくするしかありません。

もちろん、死亡保障についてはお子さんが成長するにつれ、必要保障額は減りますから保険金を減らしても問題ありません。しかし、医療保障については、高齢になるほど必要になります。

「令和2年患者調査」によると、全国の入院者数のうち65歳以上の割合は約75%です。入院費用を保障する医療保障を高齢になってから小さくすることは理にかなっていないことは明らかです。

見直しが必要な保険を契約してしまう人の共通点

このようなタイプの保険は、最近ではかなり減ってきていますが、更新時期が迫り、このまま更新して良いかどうかと相談に来るお客さまは一定数います。そして、このタイプの保険を契約している人には、共通点があります。

それは、保険販売員に勧められるがままに他の保険と比較検討することなく加入していることです。「保険とはこういうものなのだろう」とその商品の良し悪しを判断せずに、そのまま契約しているのです。読者のみなさんも、思い当たる節があるなら、ぜひ保険証券(※)を確認してください。

※保険契約の成立後、保険会社から契約者に交付される契約内容が明記された文書

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