コロナ禍で地方移住という選択肢を選んだ人は少なくないと思います。私たち一家もそうでした。しかし、新天地の山梨での生活が始まってしばらくすると、徐々に息苦しさを覚えるようになりました。

●前編:【一家で地方移住した40代男性、苦痛になった“田舎独特の生きづらさ”】

移住から2年で気付いたミスマッチ

1つの要因は、よく言われることですが、密過ぎる人間関係です。高齢化が進む地方では40代の私たち夫婦も「若手」扱いで、地域の会合や催し物がある度に呼び出されるのには閉口しました。留守宅に平気で上がり込んでくるような“間合いの近さ”にも抵抗を感じてしまいます。

また、当初期待したほど家計が改善されていないことも気になっていました。スーパーに行くにも車を走らせなければならないこのエリア。暮らしていくにはどうしても車2台が必要で、税金や保険料といった維持費に加え、最近のガソリン価格の上昇がわが家の家計に重くのしかかっています。

そして、家族の状況も移住当初から大きく変化しました。今年中学2年生になった上の息子はデータサイエンティスト志望で、有名国立大学の理学部への進学を目指しています。大学受験に万全を期すため、地元の公立高校でなく、都内の私立高校に進学したいと言い出したのです。

私自身も今の仕事に行き詰まりを感じていて学生時代からの親友に愚痴ったら、「本気に東京に戻ってくるつもりなら、お金のことなんかも含めて一度、専門家に相談した方がいいんじゃないか」とファイナンシャルプランナー(FP)の香川さんを紹介されました。

上の息子の進学問題は急を要する問題だけに、すがるような気持ちで香川さんにメールを送りました。すると、早速その日の夜、香川さんから直接電話がかかってきたのです。