南裕二さん(仮名)は都内の広告代理店に勤務していましたが、コロナの感染拡大によって会社の経営が行き詰まり、一念発起して一家で山梨県への移住を決めました。

当初は恵まれた自然環境や住環境に加え、人情あふれる地元の人々に囲まれ、充実した毎日を過ごしていました。しかし、徐々に田舎暮らしの生きづらさを感じるようになります。

移住から2年がたち、成績優秀な長男が都内の私立高校を受験したいと言い出したことから、真剣に都内へのUターンを考え始めます。そんな時に南さん一家の背中を押してくれたのが、あるお金の専門家でした。

南さんは「Uターンの鍵を握る私の仕事探しや家探し、長男の受験体制について、大変有用なアドバイスをいただきました。おかげで私たち一家は早々と東京に戻ることができたんです」と振り返ります。

移住からUターンを考えるようになった経緯や、経済的な余裕もない中でいかにしてUターンを実現したかを、南さんが話してくれました。

〈南裕二さんプロフィール〉

東京都在住
45歳
男性
広告代理店勤務
妻と息子2人の4人暮らし
金融資産500万円

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一家で都内から山梨県に移住を決めたのはコロナ禍の2020年でした。

当時私は各種イベントを手掛ける広告代理店に勤務していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大でイベントの中止や撤回が相次ぎ、稼働案件はゼロに。それどころか予定していたイベントの後始末に追われ、疲弊しきっていました。旅行代理店でパートをしていた妻も仕事がなく自宅待機を強いられ、ほぼ無収入となりました。

とはいえ、当時小学生の2人の子供を抱え、月々の生活費に加えて教育費もそれなりにかかります。そこで先行き不透明な仕事に見切りをつけ、新天地に活路を求めることにしたのです。